何処へ行く

暇をつきつめる

かすがい芸術劇場 神田松之丞独演会

神田松之丞独演会へ行ってきました。

3月28日の寄席品川清須亭出版記念落語会以来の生松之丞。

渋谷らくごでかけていた鉄誠道人(読み方が分からない)に期待して春日井まで向かいました。

義士伝の時期も過ぎたし怪談話をするにしてもまだ少し早いので、これは慶安だろうと期待していました。

 

開口一番

田辺いちか「臆病弥八郎」

松之丞さんは徳川家康のネタは持っていなかったような気がするので、こういうネタを聞けるのは貴重。  

話自体は滑稽で面白いし声も聞きやすいけれど張り扇を入れるタイミングとか間が少し気持ち悪く感じた。

これからどんどん成長していくのかな。 

一席目

神田松之丞「山田真龍軒」

ENGEIグランドスラムでは途中までしか出来なかったので最後までやりますとまくらで話すも客側は「別に」みたいな雰囲気でやりづらそうな感じでスタート。

正直何回も聞いたことあるから嬉しくもなんとも無かったけど今回のは特別良かったような気がした。いつもと聞き方がちょっと違って話の内容はあまり聞いてなくて読み方とかリズムや間の取り方・張り扇の入れるタイミングとかを集中して聞いてたら、どれもが絶妙で気持ちよくて内容はほとんど入ってこなかったけど最高でした。

二席目

神田松之丞「鼓ヶ滝」

愛山先生が飼っている猫のぬいぐるみの鉄板まくらからのラジオ寄席のエピソードから本編へ。

面白い。大変面白い。最初聞いた時は直される度にたしかにすごい良くなってるとか感心して聞いてたけど何回も聞いてるから感心も薄れている。

最後の全然何言ってたかは分からなかったけど、いましめの歌みたいな奴はかっこよかった。

中入り

三席目

神田松之丞「安兵衛婿入り」

鉄誠道人を期待していただけにガッカリというかなんというか。

怪談話でもやろうかと思ったけどまだ時期でもないし、客も暖かいから明るい話をと「安兵衛駆けつけ」からの「安兵衛婿入り」へ。

まくらで地方公演でのネタ被りについての言及をしていた。

たしか大須演芸場での旅成金でかけた1月後次の公演にあたる寄席品川清須亭出版記念落語会で「中村仲蔵」をかけていて例によって独演会後にエゴサーチをしていたらまた中村仲蔵かよみたいなツイートがあって少し気になったと言っていた。

毎回毎回愛知に来る度に駆けつけている俺としてはネタ被りは極力避けて欲しいなあと思う一方「中村仲蔵」みたいなもっとたくさんの人に聞いて欲しいと思うネタもあるわけで、なかなか悩ましいなと思った。

この問題を解決するには地方公演をもっと増やして多少被っても苦にならないようにしてもらうしかないかなと思ってしまった。

というよりもこの問題って講談というめちゃくちゃ面白い演芸があるのだけれど、現在地方で定期的に聞ける講談師が神田松之丞しかいないということじゃないかと思う。

これが落語であれば愛知県は毎月10日間ではあるが、寄席もあるし面白い落語家が来てくれる機会も多い。

講談に対する期待が殊に、地方においては神田松之丞に全て乗っかっているような気がする。少なくとも俺の中ではそうなっている。

何度か東京まで行って講談会を聞きに行ったこともあるが多くの人が出来るわけではないわけで、講談がもっと広まっていくにはテレビなどのメディアで売れる人が次々に出てくるか、多くの先生が少ないキャパでもいいから地方公演を行って客の裾野を広げていくしか無いんじゃないかなと思う。

現在の地方においての神田松之丞に全乗っかり状態は協会全体として変えていってほしいなと思う。

安兵衛婿入り自体は笑えるし良い話で好きです。

義士伝の時期じゃないと言っても、こういうネタだったら関係ないね。

明るい話三席となったのはENGEIグランドスラムを見て始めてきたお客さんの為に講談とは気軽に見られるモノですよといった事を伝えたいという考えからかもしれないけれど、番組が終わった直後にチケットを確認したら既に売り切れていたので、そのような客は一人もいないということを伝えたい。

実際のところ明るい話が続いた正確な理由はわからないけれど。

 

次回の歌太郎・松之丞ふたり会に期待しつつ今回はここまで。